cc - キャリアコンサルタント 渡部 俊和 のホームページ 福島県、栃木県を中心に活動しているキャリア・コンサルタントです。 具体的な就職活動の考え方をご紹介! 今、何が起きているのでしょうか? 失業率が5%超とか、学生の就職内定率が10月現在で過去最低というニュースが流れています。しかし、もちろん採用される人が全くいないわけではなく、採用される人は採用されていますし、複数内定をもらう学生もいます。こうした個人差をまず認めて、採用される要素が何なのか欠けているものを補おうとすれば良いのですが、全体の悪いニュースがそうした差をあいまいにして個人の問題を隠してしまうために、結果的にいつまで経っても個人の問題が解決しないという側面があります。 個人の問題の中には確かに解決困難なものもあります。社会、環境、個別ではどうしようもないこともあります。しかし、大半の人はほんのちょっとした違いが大きな格差を生んでいます。少し深く理解すれば、少しだけ努力すれば、あるいはほんの少し時間を作るだけで、劇的に変わる方のほうが多いのです。 個人の問題をあいまいにしてしまうから、訳がわからない不安ばかりが増大するのです。 就職活動のアドバイスは、別段珍しいものではありません。書店に行ってもインターネット上にでもたくさんあります。しかし、失業者支援のセミナーや学校の講座で参加者に情報の取り方を聞いてみると、自ら本を買いネットでノウハウを取り、それに従って計画を立てて実行している人は、実はそれほど多くありません。 更にこのテキストに書いたような、自分の経験や独自性を考えて戦略的に就職活動を行っている人はほんの一握りです。しかしその一握りの人は、''結果的に早い段階で結果を出しています。'' わかる人にはわかっている就職活動のポイント、それが伝わっていない人がたくさんいることが問題です。 受け身で待っているだけの人には誰も良い情報を教えてはくれません。タイミングがずれたり、情報に気づかなかったりすることは日常的にあります。出し手と受け手がそれぞれ情報に前向きになって初めて必要な情報が手に入ります。 私が実際に会った人々の例で言うと、次のような人たちがいます。 まず、かつて高校卒業で就職した人は、学校主導の進路指導で就職した人たちです。自分の意思よりも親や先生の判断で就職先を決めているケースも少なくありません。その人たちが、今職を失って戸惑っています。職探しをしたことが無く、応募書類を作りこんだり、自分の経験を深く掘り下げて整理したことが無いのです。最初の職業選択も明確な目的意識が無かったために、その頃に経験した仕事の内容、経験として得たものなどがどうしてもあいまいになります。このような方は30代から40代の方が多いのですが、大手企業に入ってそれなりに景気の良い時期も経験しているのです。それだけになおさら「なぜこうなってしまったのか」という思いから抜け出せずに、次のアクションが起こせずにいます。本当は過去を振り返っていてもはじまらないのに、しばらくはリストラにあった会社を恨んで無為に時間を過ごしてしまっています。 また、大学を卒業しても職の無い人たちにも数多くお会いしました。勉強や部活動に打ち込んでいたタイプと、遊んでいたりなんとなく怠惰に日々を過ごしていた人に分かれますが、いずれにしても、就職活動に乗り遅れてしまった人たちです。大学ではガイダンスや就職セミナーを2年次、3年次から行っているのですが、学業、部活動優先、またはアルバイトや遊び優先で参加していないケースが多いです。学校では早期の職業観形成に力を入れており、基本的なガイダンスは早め早めに行う傾向になっていますが、それだけに、そこで参加できないと、大事な情報が漏れたまま、気づけば本番が始まっているのです。4年制大学の卒業生で内定が取れた学生は、平均すると3年の10月から就職情報サイトに登録して企業情報を見ていますが、内定を取れなかった学生が就職情報サイトに登録している時期は平均で12月です。この2ヶ月の差はその前の学校主催の就職関連のイベントやガイダンス時にすでについているのですが、その時点では本人は気づかないし、周囲が教えようとしても本人が興味を持っていない(情報を受け取らない)のです。 このどちらのタイプの人も、失業者として求職活動をしていますが、求人倍率が0.5倍を切るような状況の中で、新卒の時期とは比べ物にならない厳しい環境で学生時代の |