大久保幸一の文章力で授業が変わる!日本独特の教育文化、つづり方指導 ~日本の教育の優秀さは、文章表現の指導から生まれた~ “元小学校教師 大久保幸一” 先生に質問があります。 “いじめ”、“学級崩壊”、“不登校”、等が騒がれる今、教師には今後、どのような力が必要となると思いますか? それは、言うまでも無く、「子供達の心を育てる力」です。 そして、「子供達の心と心をつなぎ合わせる力」です。 その為には、子供達の心の成長だけではなく 教師自身が、子供1人1人を理解する力が必要です。 もし、先生が今以上の教育を求められるのであれば? 私がこれまでの教師生活の全てを注ぎ込み、練り上げて来た 「子供の心を成長させ、子供同士の心をつなぎ合わせる」為の具体的方法を公開します。 また、この方法は、活字離れや、国語力の低下を防止する事にも有効な方法です。 少し長い手紙になりますが、是非、最後までお読み下さい。 35年間の教師生活で培ったこの方法が、きっと先生の役に立つと信じています。 同志社大学文学部卒業後、1976年奈良県小学校教員になる。 教員時代には授業研究を31年連続で行い、 他校や企業で「人間の成長」をテーマに150回以上の講演会を行う。 生活つづり方奈良の代表。 大和郡山市人権施策推進課指導主事などを歴任。 35年の教員時代を経て、2010年3月奈良県大和郡山市立矢田小学校で教鞭を終える。 現在は、教員時代に培った「生活つづり方指導」を普及させるため、各地の学校や保護者に向けて、講演活動を開始。 著書に、『いのちが深く出会うとき』([共著]1994年 社会評論社)がある。 *以下の内容は、DVDに完全収録。また特典資料で作文をお読みいただけます。 それは作文を読み合う授業での事です。 1人の女子が、自分の書いた作文を読み始めました。 その子は、兄弟の誕生日についてつづっていました。 彼女が兄弟の誕生日をどのように祝ったのか? 誕生日プレゼントをもらった兄弟の喜ぶ姿。 その姿を見て喜ぶ母。 喜ぶ家族を見て嬉しかった彼女の気持ち。 実に、読みやすく、その時の情景が手に取るように伝わった素晴らしい作文でした。 本来であれば最高点の5重マルを付けても問題ありません。 しかし、私はこの作文に3重マルしか付けられませんでした。 なぜなら、この作文には彼女がこのタイミングで 書かなければならない事が、書かれていなかったからです。 私は、彼女の家庭環境についてもよく知っていました。 彼女がこの日記で書きあらわさなかった事…。 それは、彼女を含めたクラスメートが、個々の尊重感情を高め、 今以上に互いが分かりあう為には欠かせないポイントでした。 先生は、そのポイントが何だか想像できますか? 先生も既にご存じの事かと思われます。 毎日元気に登校してくる子供達も、実は1人1人が 様々な生活背景をもって登校しています。 自分の生い立ちや、家族で悩んでいるその感情を心の中に押し込めて 登校している子供達は、想像以上に多いものです。 さらに、自身が抱える悩みや問題が外に知れる事を恐れる、 もしくは恥ずかしく思う子供はたくさんいます。 しかし、私はそんな悩みを抱える彼らこそ、自分自身の事をよく見つめなおし、 その悩みを受け入れる事が、本人を人間的にも豊かに成長させる手段だと考えます。 そして、仲間同士が自らの生活をしっかりと見つめ合い、お互いが |