医者から見放されたアトピっ子… 小児アトピーで医者にかかっていた大樹君(仮名・5歳)。 最初は、背中に赤みが出て熱をもち、かゆがっていたので、ステロイドでかゆみを抑えていたのですが… 皮膚の赤みはどんどんひどくなり、数ミリ程度にまで肥厚してきてしまいました。 背中全体が赤く腫れ上がり、かゆみだけでなく痛みまで出ている状態でした。大樹君のつらそうな様子を見ると、お母さんは心が痛んで仕方ありません。 通っていた医者も、どうしようもなく、様子を見守るしかないと、さじを投げてしまいました。 わらをもすがる思いで… 大樹君の状態がステロイドの副作用が大いに関係していると知った大樹君のママは、 大樹君を連れて私の漢方薬局へやってきました。以前、ママ友から、「漢方は副作用がなくアトピーに効果のある薬がある」と聞いていたからだそうです。 ステロイドは使いたくない、でもかゆがる大樹君にはステロイドを使ってあげるしかない…というジレンマの中で、お母さんいわく「わらをもすがる思いで」私の薬局にいらっしゃったのでした。 「ぼく、がんばって飲むよ」 ここまでひどくなってしまった状態では、子どもに飲みやすい苦味の少ない漢方薬では十分な効果が見られないため、私は、子どもには少々飲みづらい苦めの「煎じ薬」を処方しました。私は大樹君に尋ねました。「ちょっと苦いけど、飲めるかな?」背中のひどい状態に苦しんでいるのは、誰より、大樹君本人です。大樹君は小さくこくんとうなづいて、「うん。先生、よくなるなら、ぼく、がんばって飲むよ」。 「一体、あなたは何をしたんですか?」 大樹君に煎じ薬を処方した3日後、私のところに小児科の医師から電話がかかってきました。「○○病院の××ですが…一体、あなたは何をしたんですか?」大樹君のかかりつけの病院の担当医でした。 「アトピー体質を改善させる薬を処方しましたが、大樹君、どうかしましたか?」「いや、劇的に良くなってるんですよ! これまで何をしても良くならなかったのに、肌の赤みもとれて、かゆみもほとんどなくなったようなんです。あなたは一体、何をしたんですか?」大樹君はかかりつけの医師、そして漢方薬を処方した私ですらびっくりするくらい、症状が劇的に改善していたのです。私もこのような経験は、初めてのことでした。「先生、大樹をよくしてくださって、ありがとうございます」大樹君のママは私の薬局に見えると、涙を浮かべて感謝してくださいました。大樹君も照れたような笑顔を私に見せてくれました。「大樹君、苦いお薬をよくがんばって飲んだね」。大樹君は今はすっかりアトピー体質を改善することができ、元気に学校へ通っています はじめまして! 薬剤師の金子と申します ご挨拶が遅れました。はじめまして! 私は薬剤師の金子勲と申します。東京都西八王子で漢方薬局を営んでいます。 西洋医学で治らないと言われた患者さんの相談に乗ったり、漢方薬を処方したりしています。 漢方薬というと、民間薬と混同されることもよくあるのですが、漢方は根拠のない民間療法と違い、中国で認められている伝統医学です。 漢方に魅せられた私は中国へ渡り、国際中医師という認定資格を取得しました。それだけでは飽き足らず、主事医師の資格を、日本人として初めて取得しました。 ■薬剤師 金子 勲(かねこ・いさお) 東京薬科大学卒業後、漢方専門薬局にて臨床に携わり、その後自然美健康システム研究所、けい林東医学院にて漢方を学ぶ。 1986年より東京都八王子市にイセヤ漢方薬局を開局。 多摩中医薬研究会会長。武蔵野東医学研究会副会長。 専門誌「東医学研究」編集長。■TV・ラジオ出演 ・スパスパ人間学!(TBS) ・快適生活!(フジテレビ) ・OPEN SESAME! オープンセサミ(JFN ジャパンエフエムネットワーク)■書籍等 ・冷え症 イラスト・わかる漢方(ユリシス) ・冷え症を治す100のコツ(主婦の友社) ![]() |